DECASE for Xperia 1 IV – サンプル到着!

Xperia 1 IV Bumper DECASE aluminum

言葉にすると後ろ向きな愚痴が出てしまうために更新を躊躇っていた開発日誌を約一年ぶりに更新致します。なんとかXperia 1 IV バンパーのファイナルサンプルの完成に漕ぎ着けました!よしっ!

DECASE for Xperia 1 IV アルミニウムバンパー

お客様からの意見をもとにブラッシュアップを行い進化し続けてきたDECASEアルミニウムバンパー。お陰様でかなりの高評価を頂いておりましたが、2020年頃から厳しい意見を頂くようになったのも事実です。

「ボタンのクリック感が弱い」
「バンパー内側の保護材が剥がれやすい」
「フックの掛かりが甘い」
「以前に比べると…」

実のところ、同様の意見は当社スタッフ間でもあがっており、このような状況に陥ってしまった原因は明白でありコロナ禍における移動制限でした。2020年以前は新商品の開発を行うにあたり、設計段階では日本が中心となりコンセプト出しを行い、ファイナルサンプルが完成する頃に香港スタッフのSiuが台湾、中国の現地工場に飛び、泊まり込みで細部仕様の動作要件を最終決定していました。

カメラボタン一つの仕様確定に一週間

DECASEの肝であり高評価をいただいた最大の要因でもある商品開発における最終工程「細部仕様の動作要件」の詰め作業。カメラボタンの仕様確定一つとっても「高さ3.5mm」と決定する迄の工程において、検証作業だけで一週間程度の時間を要することがあります。

というのも、どれほど高精度な製造を得意とする工場であっても一定範囲内での個体差は必ず発生するもので、その個体差がプラス方向に出る傾向になるのか、マイナス方向に出る傾向になるのかは製品デザインやCNCマシンの癖により異なり、また「バンパー本体」「保護材」「ボタン」を組み合わせて検証した結果、設計段階では想定していなかった問題に突き当たることもあったりします。また、ボタンにおいてはただ押せれば良いのではなく、クリックアクションの測定も必要で、例えばXperiaのカメラボタンは浅く半押し状態にするとフォーカス機能が働き、そのまま深く押し込むことでシャッターが切れる二段階仕様となっていますが、バンパーボタンのサイズが僅か0.1mm大きくなるだけで「フォーカス機能が効かない」もしくは「バンパーに触れただけでカメラボタンが押された状態になりカメラが勝手に起動する」不具合が生じたりします。

この辺の動作不具合を回避するためにはXperia本体のカメラボタンとバンパーのカメラボタンの間に隙間(遊び)を一定程度空ける必要があるのですが、この隙間が大きすぎるとボタンが宙ぶらりんな状態となり、これもまた「ボタンが浮いて斜めになっている」「ボタンの遊びが気になる…これは仕様ですか?」とのクレームに繋がることもあり…。

DECASE バンパー ボタン
ボタン制作指示イメージ

上記のような細部動作要件の仕様を確定させるための”感覚”は私達日本人スタッフと香港Siuのみが共有する肌感覚であり、この感覚を台湾、中国の現地スタッフと共有するのは困難であるからこそ、商品開発の最終工程では私達が現地であれこれ指導するのですが、移動制限のある現状ではそうもいかず。

とはいえ、数年間一緒に仕事してきた彼らならある程度の感覚の共有はできてるはずだから、慣れれば彼らだけでも細部仕様を完成させることができるかも?とコロナ禍当初は甘く考えていたかもしれません。今、思い返せば。

盧さん登場

商品品質そのものはSkypeやWeChatを通してのオンライン会議で一定基準をクリアでることは可能でも、パーツ単位での肌感覚「ボタンのクリック感」「フックの掛かりの強弱」に関しては何度やり取りをしてもお互いの感覚相違の溝を埋めることが難しく、いっそのこと渡航制限が解除されるまではDECASEの開発を停止しようかとも考えていた頃、中国出身日本育ちの盧さんと出会う。あぁ、素晴らしきかな一期一会。

日本人の感覚を持ち合わせ、日本語、北京語、広東語を見事に操る盧さん。「フックについてはこのカチッとハマる感覚が重要で、この感覚が無いと保護材が劣化した時にバンパーがスマホから外れる可能性がある」と私が日本語で説明すれば、これを現地スタッフに「小指や薬指で簡単に外れるフックじゃ駄目で親指でギリ外せる強度のフックにして」と、単純な通訳ではなく中国人にも理解できる言葉に置き換えることができのほどの感性の持ち主でして、一度は諦めたDECASE for Xperia IVの開発がここまで順調に来たのは盧さんの働きなしあり得なかったかもしれません。

DECASE for Xperia 1 IV ファイナルサンプル到着!

毎度の如く長い前フリとなりましたが、前フリが長いのはいい商品が届いた証拠!いい商品を見るとついつい雄弁になってしまいます。一部仕様変更はありますが、9割満足のいくサンプル商品が届きましたのでお待ちいただいているお客様にイメージ画像をご開帳!

DECASE for Xperia IV Last Sample
DECASE for Xperia IV Last Sample
Xperia IV バンパー
バンパー 比較
上が1-III、下がフックと本体を強化した1-IV

改善完了

Xperia 1 IIIにおいてはバンパーの強度を保つために充電ポートを含めた各種ホール加工を小さくした経緯がありました。そのため、一部サードパーティー製品は干渉する可能性があり、事前に商品ページにその旨記載していたのですが、やはりその辺がネックとなり一定数の「手持ちのUSBケーブルが使えない」「イヤフォンが使えない」とのお叱りを頂いてしまいました…。バンパーの厚みを変更せずに強度を確保するため各種ホールサイズを小さくするのは仕方ない割り切りだと考えていましたが、前回のお叱りを受け、今回のホールサイズは従来通りの大きさに戻し、その分の強度補強としてバンパーに多少の厚みを持たせました。ホールサイズを大きく取りながら薄型のバンパーとした場合「バンパー」の意味をなさないバンパーとなってしまいますので、ホールサイズを大きく取った分、既存製品と比較すると1mm程度厚みが増しますことご理解ください。

DECASE エクスペリア バンパー アルミ

メール登録受け付中

現在、商品の生産に向けた最終調整を行っております。調整が完了次第、生産に入る予定ですが早ければ8月中旬頃には予約販売が可能かもしれません。商品が完成しましたらメールでお知らせする「入荷リクエスト」メール登録を商品ページにて受け付けております。ご興味ございましたら是非お気軽にご登録くださいませ m(_ _)m


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